大地抵抗率の測定手法
大地抵抗率の測定手法はいくつかありますが、このうち代表的な「ウェンナーの四電極法」と「棒電極による簡易測定法」をご紹介します。
ウェンナーの四電極法
ウェンナーの四電極法は、もっとも広く用いられている大地抵抗率の測定手法です。
図2のように、4本の電極を一直線上に等間隔で打込み、電極C1-C2間に交流電流を流します。そのとき、P1-P2間に生じた電位差を測定します。この電位差の測定値をそのときの通電電流で割れば抵抗値 \(R\) が求まります。
図2 ウェンナーの四電極法
電極間隔を \(a\) とすれば、次式で大地抵抗率 \(\rho\) を求めることができます。
$$\rho = 2 \pi aR$$
\(\rho\)(ロー):大地抵抗率[Ω·m]、\(\pi\)(パイ):円周率、\(a\):電極間隔[m]、\(R\):測定値[Ω]
電極間隔 \(a\) を広げることで、電流 \(I\) はそれだけ土中深いところまで分流し、その \(a\)[m] の深さまで大地抵抗率が測定できます。そのため、ウェンナーの四電極法での測定は、直線距離を長く取れる環境で行うことが望ましいです。
棒電極による簡易測定法
地表面の大地抵抗率のみを測定する方法です。
棒電極(接地棒)を地中に1本打ち込み、棒電極の接地抵抗値と棒電極の長さおよび直径から、大地抵抗率を求めます。
次式で求めることができます。
棒電極の式 $$\rho = {2 \pi LR \over \ln(4L/d)}$$
\(\rho\):大地抵抗率[Ω·m]、\(\pi\):円周率、\(L\): 接地棒の打ち込み深さ[m]、\(R\): 測定された接地抵抗地[Ω]、\(\ln\):自然対数、\(d\): 接地棒の直径[m]
接地工事予定の敷地が狭いなどの理由で、直線距離を長くとれない場合にこの手法が用いられます。ただし、この手法は土壌の表層のみの大地抵抗率しか測定できないため、詳細な地層ごとの大地抵抗率把握にはウェンナーの四電極法を用います。