GDTとは
GDTとは
GDT(Gas Discharge Tubes)とは、金属線路に侵入してくる雷サージを低電圧に下げる部品です。
アレスタまたはガス入り放電管とも呼ばれます。
- もともとは通信線路の雷サージを低減させる目的で開発された部品です。
- セラミックなどの絶縁物を電極で挟み込んだ部品です。セラミック内は安定した放電を得るためにガスが封入され、電極には放電しやすくするための活性物が塗布されています。
- 2極、3極の製品が一般的です。
回路図※ | 写真 | |
2極GDT | ||
3極GDT |
※JIS C 5381-311で決められているGDTの回路図です。
※GDTに方向性はありません(回路図中の●はガス入りであることを示しています)。
GDTの動作
GDTの電極間は設計した電圧で放電します。電極間に設計値(放電開始電圧)を超える電圧(雷サージなど)が印加されると放電を開始して、雷サージを低電圧に落とします。放電は上図の通りグロー放電領域からアーク放電領域へと移行します。
- 特徴
・放電開始後に低電圧となることで、自己発熱が小さいことから、小型で高電流耐量を有しています。
・静電容量が小さい(~数pF)ので、高周波信号での通信・信号線路に容易に使用することができます。
- 使用上の注意
GDTの使用を検討されている回路が上図のアーク領域の電流(例えば1A以上)を供給可能な場合(例えば電源回路など)では続流を起こす可能性があることです。続流とは雷サージ消失後に回路から供給される電力でスイッチング(放電)状態を維持する現象です。このような回路ではバリスタと組み合わせたAV11、13、14、AV3P1、2の使用をご検討ください。
GDTの使用例
- 通信・信号線路
2極GDTの使用例 |
3極GDTの使用例 |
通信・信号線路に2極GDTを使用する場合は、各線路に対して並列に2極GDTを接続します。また、各2極GDTの接地は共通で接続します。
3極GDTを使用する場合は、各線路を3極GDTの両端電極に接続します。接地は中央電極と接続します。
- ケーブル TVなどの同軸ケーブル
同軸ケーブルにGDTを使用する場合は芯線(内部導体)とシールド(外部導体)との間に2極GDTを接続します。また、接地はシールド(外部導体)と共通で接続します。
GDTは避雷管タイプの同軸用SPD内にも内蔵されています。基本的には同軸用SPDをご使用ください。
(避雷管タイプの同軸用SPDを使用することで上図と同等の回路を形成できます。)
その他の使用例はこちらをご参照ください。
<関連リンク>
・当社のGDT製品ページ
・当社の同軸用SPD製品ページ