SPDとは
SPDとは
SPDとは、Surge Protective Deviceの略語です。
2004年に発行されたSPDのJIS規格により、それまで避雷器、保安器、アブゾーバなどと呼ばれてきたものが、 SPDと呼ばれるようになりました。
SPDは、雷によって発生する雷サージ(異常な過電圧)から電気機器などの被保護機器を守るための装置です。
SPDは、用途に応じた製品があります。例えば電源用、通信用、同軸用、LAN用などが存在します。
SPDの動作
SPDは、次のように動作することで電気機器を雷サージから保護します。
① 雷サージが侵入
② SPDが動作して雷電流を接地へ放流
③ 上記②によって雷サージを電気機器の耐電圧(電気機器が耐えられる電圧)以下に制限
※通常使用している電源電圧ではSPDは動作せず、絶縁状態を保ちます。
※雷サージが消失するとSPDは動作を終了して、もとの絶縁状態になります。
SPDの主要部品
SPDは「非線形部品」と呼ばれる部品が使われています。
非線形部品には次の4種類が存在し、これらは電圧制限部品と電圧スイッチング部品に大別されます。
種別 | 部品名 |
電圧制限部品 |
MOV(Metal Oxide Varistors) |
ABD(Avaranche Breakdown Diode) ※別称:アバランシブレークダウンダイオード など |
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電圧スイッチング部品 |
GDT(Gas Discharge Tubes) |
TSS(Thyristor Surge Suppressor) |
各部品の電圧-電流特性を下図に示します。
設計した電圧を超える電圧が印加されると動作を開始して端子間の電圧がほぼ一定となる部品です。(印加される電流の大きさと制限電圧が比例関係になります。) |
設計した電圧を超える電圧が印加されると、動作を開始して端子間が低電圧になる部品です。 |
どちらの部品も設計値以上の電圧(例えば雷サージなどの過電圧)が印加されると動作して、電圧を一定値以下に制限または低電圧にする特性を有しています。
SPDはこれらの部品を使用することで前記の動作を実現しています。