誘導雷に対する耐雷トランスの有効性
ここでは、当社で実際に行った実験結果を基に誘導雷に対する耐雷トランスの効果をご紹介します。
次の内容は耐雷トランスのコモンモードサージ移行率についての実験結果です。
一次側に誘導雷を模擬した10kV~30kVの雷サージ(1.2/50μs)波形を印加した時の、二次側に発生する電圧を確認しています。
実験回路
※インパルス発生器は雷サージ波形を人工的に生成する発生器です。
実験結果(観測波形)
黄色波形:一次側電圧V1 水色波形:二次側電圧V2
印加電圧10kV
印加電圧20kV
印加電圧30kV
実験結果(実測値)
印加電圧(1.2/50μs) | 10kV | 20kV | 30kV |
一次側電圧V1 | 9.6kV | 19.2kV | 29.4kV |
一次側電圧V2 | 4.2V | 10.8V | 20.4V |
サージ移行率(=V2/V1) | 0.05%(1/2285) | 0.06%(1/1777) | 0.07%(1/1441) |
※上記結果は実測値であり、性能を保証するものではありません。
結論
上記の波形および実測値を確認すると、二次側電圧V2は一次側電圧V1の1/1000以下に抑えられており、二次側には殆ど電圧が伝達されていないことが分かります。
このことから耐雷トランスには雷サージを大きく抑制する効果があることがわかります。